日本労働ペンクラブは、労働、雇用、社会保障など働くことに伴う様々な問題に関心を持つジャーナリスト、研究者などの親睦団体で、1981年に設立され40年を超える歴史を持っています。当初50人でスタートした会員は、現在は約200人です。
会員は新聞社、テレビ局の現役記者、OB・OG、労働専門紙誌の記者、編集者、大学、研究機関の研究者、厚生労働省、労働組合の出身者などで多岐にわたります。労働、雇用問題などの執筆、講演、研究に携わることを軸に集まっている国内唯一の団体です。本部は東京で、関西支部(会員40人)もあります。
労働ペンクラブの目的は、規約では次のようにしています。
「人間の基本的営為である労働を中心課題とし、労働にかかわる政治、経済、社会、福祉、文化などの諸問題について言論、研究、出版等の活動に関わる者の親睦・交流・相互研究の場とする」
この目的を実現するため、様々な活動を続けています。外部から講師を招いて勉強するヒアリング、会員自身が自らの専門テーマを発表し、議論を深める会員セミナーをそれぞれ毎月1回開いています。国内の産業施設などの現場を訪問する見学会を年1、2回実施しています。国際交流事業も重要な柱で、毎年アジア諸国を訪れ、現地の労働・雇用状況を調査し、報告書をまとめています。
こうした活動の記録を残すため、会報『労働ペン』を年4-5回で発行しています。また、労働問題の著作で「顕著な業績」を上げた会員に対し、日本労働ペンクラブ賞を授与しています。
創設40周年を迎えた2021年総会で、新規事業として、労働遺産認定事業と講師派遣事業の実施を決め、労働遺産事業では、22年1月の総会で、賀川豊彦関連の遺産4点と、日本労働運動発祥の地関連で2点を認定し、関係4団体に認定証を交付しました。
労ペン創立40周年記念講演会で講師の東大名誉教授・菅野和夫氏を囲んで
(2021/09/30 東京・ちよだプラット)
また、2023年総会では、「わが国における『8時間労働制』の実施発祥の地」と、「戦前実業家の労働理想主義による労働環境改善と社会貢献(大原孫三郎等)」の2件、計4件について、「日本労働遺産」として認定し、関係団体・組織に「認定証」と記念のトロフィーを交付した。