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山田計一代表の総会(年頭)挨拶

みなさん、お早うございます。そして新年おめでとうございます。と言いましてもコロナ禍の中で緊急事態宣言がでるなど、なんとも気の滅入るような年明けとなりました。そんな鬱陶しさの中で、総会に出席いただき本当にご苦労さまです。

コロナ感染の拡大は、見えにくくなっていた日本の「貧困」を炙り出しました。コロナ対策で後手に回っている政府は2月末からワクチン接種をはじめ、夏には五輪を実施するとしていますが、先行きは不透明そのものです。厚労省によるとコロナの影響での解雇・雇い止めは1月上旬現在で8万人を超えています。コロナから脱却して平常に戻るには2、3年かかるという専門家もいます。今回の緊急事態宣言で飲食・観光・旅行業をはじめとするサービス業はさらなる打撃を受け、「失業予備軍」が膨らむ気配というかその恐れが濃厚です。社会不安拡大への懸念からなのでしょうか、ベーシックインカムの議論さえ浮上しています。失業・貧困問題は労働ペンクラブの会員の大きな関心テーマであり、注視すべき問題だと思います。

こうした厳しい状況の中で21春闘が始まります。賃金アップによる需要の拡大は必須だとわたしは思います。昨年ヒアリングに招いた山田久さんも賃上げの必要性を強く訴えておられました。今の日本経済は間違いなく供給力過剰です。経済学者やエコノミストは、なぜか「恐慌」という言葉を使わなくなってきています。経済学は少しかじったにすぎませんが、わたしから見れば、日本経済は「恐慌状態」と表現していいのではないかと思います。経済の活性化には、画期的な技術革新が必要なことは確かですが、同時に賃金アップによる需要拡大が重要です。春闘では、労使双方が「マクロ経済的には日本は恐慌状態にある」という認識を共有して汗をかいてもらいたいと思います。コロナを言い訳にしないというスタンスで。

GDPは伸びていると言われても景気の実感が伴わない中で、株価は日経平均で30数年ぶりに2万8000円を超えています。あるエコノミストは「飲食サービス、旅行・観光業界などコロナの直撃を受けている業種は日本経済の利益ベースでは全体の10%程度にすぎないけれど、雇用者の割合は40%も占めているからだ。その一方で、堅調な産業はしっかりとある」ともっともらしく解説しています。そうした部分があるのは確かですが、本質的にはアベノミクスによる金融緩和でじゃぶじゃぶに溢れるお金が、生産設備などへの「投資」に回らず、株へ流れているからでしょう。なぜ設備投資などに流れないのか。つまるところ日本経済は供給力過剰の「恐慌状態」だからです。「高い株価は実体経済を反映していない」と、まるで株価とは別に実体経済が存在するかのような言い方がありますが、「供給力過剰=恐慌状態」を見えにくくする「幻惑」論法だと思います。昨今、こういった物事の実態を見えにくくする論法がまかり通っているようで、気になります。

労ペンの活動については、このあと、植木事務局長から詳しい報告と方針提案がありますが、コロナの影響で大きく制約を受けているのが実情です。労ペン活動の大きな柱である国際交流や専門家を招いてのヒアリングなどの取組は難航を極めています。会員セミナーは会員の協力でほぼ月一回のペースで実施してきました。今後はヒアリングや会員セミナーなどはオンラインでどこまでやれるか工夫が必要だと思っています。

活動の一端として機会あるごとに「労ペンのホームページの活用」をお願いしてきました。会員の持っておられる情報や知見を提供していただき、会員間の議論を充実させるのが目的です。昨年度はホームページの「わたしの主張」欄には10本を超える寄稿がありました。会員セミナーで「雇用類似の働き方の保護立法の問題点と立法試案」の講義をされた岡山茂会員はその後、「わたしの主張」欄で「労ペン会員としても注視、意見を述べるべきであろう」と提起されました。雇用類似問題に精通されている会員の方からの論稿を期待します。ホームページの活用は、これまでも会報などで要請してきましたが、この場で重ねてお願いしたいと思います。

先行き不透明のコロナ禍の中で、労ペンの活動の維持・活性化へのご協力をお願いするとともに、会員のみなさんの健康を祈念して、あいさつとします。

代表・山田 計一

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