国際交流

中華民国・台湾視察報告

2024/03/04

 
(会報218号=23年12月10日付から転載)

日本労働ペンクラブでは国際交流事業として外国に視察団を派遣している。2023年は11月12日(日)から11月17日(金)の6日間、西澤昇治郎団長の下、団員総数13人が台湾を訪問した。これは、2022年の11月頃に予定していたが、コロナ禍の影響で台湾入国規制等がなかなか撤廃されず、延期となっていたものが1年後にやっと実現したものである。
前回は2019年12月にタイ・ラオスに視察団を派遣しでているので、実に4年ぶりの視察団の派遣であり、台湾への訪問となると1991年以来32年ぶり2回目の派遣であった。
今回の我々の視察のテーマは「ジェンダー平等、デジタル経済化の進展と労働の世界」であった。

最初の訪問先であった日本台湾交流協会台北事務所の出口経済部主任から「最近の日台関係と台湾情勢」の基本的な事柄についてレクを受けた。台湾の人々の対日意識は非常に良く、最も好きな国は日本とする人が群を抜いて第1位ということであった。
次に台湾ジェンダー平等教育協会を訪問し、韓秘書長からアジアで最も男女の平等が進んでいると言われる台湾のジェンダー平等に関する取り組みを聞いた。台湾においては男女に限らず、あらゆる性差別の撤廃に取り組んでいるということであった。
次に、石田朝日新聞台湾支局長よりご講演をいただいた後、台湾の政治情勢、中国による台湾への軍事進攻の可能性、なぜ台湾で男女平等が進んだのかといった点について活発な意見交換を行った。

2日目は経営者団体である中華民国全国工業総会を訪問した。現在の台湾の使用者団体としての最重要課題について説明を受けた後、昼食会に招待され大変な歓待を受けた。
我々の団は通訳を一名しか用意していなかったが、3つのテーブル全てに日本語ができる工業総会のメンバーが配置され、いろいろな話題で盛り上がった。
行政院労働部においては、性差別禁止法の改正やデジタル経済化の進展に伴うフリーランス労働者の保護に関して意見交換を行った。
IHIの台湾事務所では村田総経理から台湾における日本企業の実情や台湾有事の際の対応についてお話をお伺いした。
3日目は石油工会を訪問した。石油工会は中国石油公司の企業内労働組合で会長及び社長を除く全員が組合員であるとのことであった。労働組合は組織として総統選挙における推薦候補は決めないとのことであった。
次に苗栗県三義郷にある日産系の裕隆汽車製造会社を訪問した。工場長の郭さんと労働組合長の羅さんが迎えてくれ両者が非常に親密であったのが印象的であった。
11月17日に団員全員無事帰国した。(台湾視察団事務長 福島康志)

労働ペンクラブ台湾視察団日程表

日 付 時 間 視察内容
11/12 午前 台湾松山空港へ
11/13 午前 交流協会台北事務所
午後① ジェンダー平等教育協会
午後② 朝日新聞台北支局長
11/14 午前 中華民国全国工業総会
昼食 総会主催昼食会
午後① 行政院労働部
午後② IHI Taiwan Corporation
11/15 午前 石油工会(労働組合)高速鉄道で台鐡苗栗駅へ
午後 裕隆汽車製造会社
11/16 午前 市内視察
午後 自由行動
11/17 午後 日本航空にて帰国
  
 

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