関西支部発

自治体現場から見えたこと

2024/07/08

 
元自治労大阪府本部執行委員 吉田一矢
(関西支部通信第42号=24年6月号から転載)

本年(2024年)4月に栄えある日本労働ペンクラブに『入門』許された喜びをかみしめております関西支部の吉田一矢と申します。

昨年3月末までの38年間、大阪一小さな市の現場作業員として働きながら、自治体労働組合に身を寄せ、労働運動を通して多くの出会いと、そして、『はて? 』と言う疑問や、気づきの機会を得ました。

先ず、最初に経験したのは、『学校校務員』。元々、教員をめざし教員免許をとり、採用試験合格までの『腰掛け』のつもりで勤め始めて、最初の『はて?』は、ある日、職員室のゴミ箱を回収し、敷地内の焼却炉で焼却処理の為、ごみの分別をしていると、穴の空いていない使いさしのスプレー缶が箱の中に...。子ども達も使用する焼却炉で作業中に爆発していたら...と、そのスプレー缶を持って職員室で、『何方が、捨てられたものか?』と問い質すも、名乗り出る者なく、子どもが、『問題』を起こした時は、『一人残らず』問い質し『指導』する先生の、その矛盾と、かつて『小使(こづかい)』と呼ばれた職業差別の現実でした。いわゆる、『校内暴力』が社会問題化されていた時代。実際に、学校現場に入り、『先生』でない大人として、子ども達とふれあう中で、『問題児』のレッテル貼られた子ども達の素顔を見ることが出来ました。

『国連子どもの権利条約』に日本政府が国内批准してから、35年。一方では、『異次元の子育て支援を』と謳いつつ、この条約の柱である『学ぶ権利』『育つ権利』『参加(意見表明)する権利』は、未だ、保障されていません。殊更左様に、自治体の現場から見えた疑問に向き合うことが、私の自治体労働運動の原点となりました。その後、転籍し、ごみ問題、防災に関わることに。これから、少しずつ、お話出来れば...と。先ずは、この辺で。

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