特集

「紀行エッセイ・宮崎汎会員が見た世界の旅」

2024/06/24

 
会員・宮崎汎(日本モロッコ協会前理事長)

連載のはじめに

そろそろ終活をせねばと思い至り身辺整理を始めた。書斎は長年月かけて収集した資料の山で足の踏み場もない。現役を退いた身であり積み重なった資料を眺めながら、この先利用することもなかろうと廃棄に励んだ。手に取る資料にも歴史があり、捨てるに忍びなくちょっとせつなかった。

撮りためた写真のアルバムがこれまた山積みとなっている。暇を見てはアルバムから剥がした写真を電子データーに置き換えPCにとりこんでいったが、つい面倒になりそのままゴミとなった写真も多い。

平素日記などしたためた事も無いのに、日本を離れると自分でも驚くほど詳細な記録をとることが習性となり、膨大な記録をしたためたノートだけはどうしても捨てがたく手元に残した。

これまで公私にわたり海外へ出かけるチャンスに恵まれ、訪れた国は数えると63カ国におよんでいた。
時間に縛られる生活から解放され、解き放たれた自由を満喫していたが、ふと以前に比べ毎日の生活がだらしなくなり、これではいけない何かせねばと自堕落な自分に鞭打った。

すっきり整頓された書斎にこもった。ふと書き溜めた海外記録と写真を利用して何か書いてみようと思いついた。図らずも自身の備忘録にもなるし・・・さて何を切り口に書こうかと思考が俄かに回転し始めた。そしてそうだ海外では様々な歴史の舞台を垣間見て来たし、若かりし頃よく見た洋画の現場へも訪れているではないかと思い至り「歴史の舞台・映画の世界」を切り口に作文してみようと思ったのである。

書いた駄文を読み返すとそれが切っ掛けとなって仕事や友人や、その他諸々その時々の懐かしい過去の思い出が一緒になって浮かび上がってきたのである。
記録から漏れていたり、不確かな部分があると図書館などへ出向き資料を漁ることもしばしばで、いつものことながら書く緊張もあり何やら現役時代に立ち戻っていくような心地がしている。


第2部人物編

第1部映画編

過去記事一覧

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