私の主張

人・金・権力を連合に集中せよ

2019/11/25

 
野口敞也会員

連合設立30年周年を振り返り問題提起をという宿題をいただいた。字数が限られているので、連合の基本命題について日頃考えている一端を記すことにする。

第一に組織化。これを組織率で見ると、18年は17%で過去最低となった。発足時は25%ほどであった。連合の組合員数は現在約七百万。発足時は約八百万だから百万人減少した。

この原因は大半の産業別組織が組織拡大の意欲に乏しく、体制を持たないからである。まず大組織について関連会社等の組織化目標を設定する取り組みが必要だ。急速に増加した非正規労働者の組織化は、一握りの産別を除いてほとんど成果を上げていない。連合が非正規労働者の組織化を専門とする産別を新たに造るくらいの思い切った対策が必要である。さもないと、予想もしない運動体が台頭してくるおそれがある。

第二に労働条件の改善。これを賃金で見よう。我が国の労働分配 率は21世紀に入り低下し、今や賃金水準はOECD35ヵ国中19位、韓国が20位に上がってき た。過去二十年間で主要国の平均 時給は、軒並み50%を超えて上がった(日本はマイナス)ことを喚起したい。国全体の賃金水準と 連合のそれとは異なるが、趨勢については連合が責任を負うところ 大である。このような結果を招いたのは、そもそもの始め「政策は連合、闘争は産別」としたことにある。かつてのJC共闘時代と異なり、現在の戦闘態勢には闘志溢れる先頭軍団がない。指揮権を連合に与えるべきであり、連合は参謀会議を工夫し、下部からの要求を汲みあげるべきである。

第三に政財界をはじめ社会に対する拮抗力の問題であるが、字数が尽きる。民主党政権が志半ばで潰えたことは悔やんでもくやみきれない。

連合に人と金と権力を集中する こと以外に再生はあるだろうか。

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