関西支部発

関西支部が2021年度総会を開催

2021/06/14

 

―初のリモート参加も

関西支部総会は、近年では2月初旬に開催してきた。

新型コロナウィルス感染拡大が続く中、2月開催の是非について支部幹事会で検討した結果、①例年どおり2月開催、②会場又はZoom(Web会議ツール)でも参加出来る対応、③(Zoom担当者がコロナに感染するなど)状況により開催困難な場合への対応を確認。
年が明けると、新型コロナウィルス対策の2回目緊急事態宣言が菅総理大臣より発せられ、1月14日よりスタートした。
感染拡大予防のため不要不急の外出や移動の自粛要請される中、会員の安全を最優先に考えて懇親会は中止した。総会、記念講演会等は、梅谷幸弘・阪本誠一会員のご協力で支部初のZoom方式により自宅等からも参加できるようになった。他方、会場への出席者にはマスク着用、アルコール消毒の協力をお願いした。
2021年度関西支部総会が、2月27日(土)13時30分からエル・おおさか(大阪府立労働センター、天満橋駅・北浜駅下車)で開催され、会場8人、Web9人の17人の会員参加(支部会員35人)、山田計一代表ら本部から次の4人がWebにて参加された。

  • 山田 計一(本部代表)
  • 森下 一乗(本部代表代理)
  • 西澤昇治郎(本部代表代理)
  • 植木 隆司(本部事務局長)

議長就任時に支部代表としての挨拶を行い、本部創設40周年、支部創設30周年の歩みを踏まえ、ペン出身会員をはじめ多様な専門家からなる集団として、格差是正・外国人就労など適正な労働のあり方を求めた社会貢献活動、社会的発信などを通して今後の労働ペンクラブの展望につなげよう!と述べた。

本部より山田代表が挨拶をされた後、議事に入った。
第1号議案「2020年度活動報告、会計報告及び監査報告」が次のとおり報告され、拍手で承認された。

  1. 2020年春の見学会はコロナ禍で中止になった。
    ①見学会は、本部と関西支部との東西交流を兼ね、共同開催すべく準備した。第1日目の4月15日(水)は関西支部が企画・設営を担当。第2日目の16日(木)は関東(本部見学会担当)が企画・設営を担当、GSユアサ本社自動車電池工場(京都市)の視察が予定され、会員にはすでに案内を済ませていた。関西支部としては、先駆的な労働運動の歴史ある地を訪れる見学会を意識し賀川豊彦記念館→神戸港震災メモリアルパーク→カワサキワールド・海洋博物館→神戸港散策→8時間労働制発祥の碑見学→夕食交流会を準備していた。
    ②3月5日(木)の幹事による下見当日、2日目の訪問先付近で新型コロナ感染者が発生したため見会を延期する(その後中止)との連絡が本部担当幹事から入り、皮肉にもキャンセル手続の日になった。
  2. 研修会は、①2020年2月9日(日)に開催された定期総会の後に、14時30分から開催され、島田裕子京都大学大学院法学研究科准教授に「パートタイム・有期雇用労働法で求められる企業の対応について」と題し講演して頂き質疑応答、参加者によるディスカッションが盛り上がった。
    その後、著作『工場法小史』で2019年度日本労働ペンクラブ賞受賞の横田隆会員(元大阪中央労働基準監督署長)より賞状とトロフィーの披露があった。
  3. 会員投稿による"支部会員の交流紙"として支部通信は、年3回発行した。
  4. 会員の状況は、3人の新規入会者があり、3人の退会者が出たため当支部の2021年度支部総会当日現在の会員は35人となった。
    続く第2号議案「2021関西支部の役員改選に関する件」、第3号議案「板東慧・前顧問を本部の会友に推薦する件」、第4号議案「2021年度活動計画・会計予算に関する件」が提案後に拍手で承認された。
    会場の村岡利幸会員から、リモートワークでの会員間情報交換会を企画して欲しいとの要望が出され具体化を検討すると代表答弁。
    総会後、15時から研修会として吉村臨兵・福井県立大学看護福祉学部教授(会員)に「同一労働同一賃金に関する今後の労働問題への対応」と題し専門の社会政策・労働経済論の観点で講演して頂き、その後の質疑応答・討議が盛り上がった。(関西支部代表 森田定和)

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関西支部役員

役職名 名 前 区分
代 表 森田 定和 再任
幹 事 今村 武司 留任
小野 順子 新任
狩谷 道生 新任
谷口 勉 再任
藤木 美能里 留任
会計監事 山下 嘉昭 留任
顧 問 埋橋 孝文 新任
畑中 清博 再任
玉泉 孝次 再任

関西支部設立30周年を迎えて

日本労働ペンクラブ代表 山田 計一

関西支部の設立30周年おめでとうございます。支部設立は労ペン発足から10年後の1991年。日本はバブルが弾けつつあるという実感がまだなく、「踊り」の余韻に浸っていました。共同通信京都支局のデスクだったわたしは、京都駅の120㍍高層化構想をぶち上げたJR西日本のバブル感覚に唖然とした記憶があります。労働問題絡みでは、施行から5年の労働者派遣事業法が「働きたい時に働ける」と"バラ色"喧伝されるなど「労働法規制」は日陰にいた時節でした。

そうした状況下で発足した関西支部。坂東慧さんをはじめ歴代支部代表のもとで、独自のイベント企画、研究会などに工夫・ご苦労を重ねられ、その結果が現在のレベルの高い活動につながっているのだと推察します。昨年の島田裕子・京大准教授の「パートタイム・有期雇用労働法」、さらに今年は吉村臨平会員の「同一労働同一賃金~最高裁判決を踏まえて~」と時機をとらえた研修会、また硬軟取りまじえた記事で読み応えのある「支部通信」の発行など充実した取り組みに敬意を表します。本部は関西支部との連携をより深めていく方針です。2019年夏には、東西交流拡大幹事会を大阪で開催しました。コロナ禍でなかなか困難ではありますが、リモートも含めて今後復活を検討していきたいと考えています。

昨年、支部立案による「神戸・京都見学会」はコロナで中止となりましたが、ぜひ復活・実現したい。わたしが労ペンに入会した2007年夏、支部のお世話で京都府亀岡市の半導体製造装置会社の見学会に参加しました。勤務時間の柔軟運用を自慢顔で説明する工場側に対し、畑中清博会員が「それは労基法違反ですよ」とピシャリ。狼狽える工場幹部の顔がいまも目に浮かびます。「さすが労ペン」。

こんな存在感を示す活動を目指したいものです。

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