関西支部発

巻頭言 ―関西支部通信第40号(23年10月号)から転載

2023/12/18

 

現代において「人事」とか「職階」などは企業一般のシステムを連想させますが、その源流はどこからくるのかという好奇心を持って歴史をさかのぼっていくと、古代において「人事」や「職階」は天皇を頂点とした官僚の人事システムであるように感じられます。

6月の支部通信の巻頭でも触れられていましたが、7世紀初頭推古天皇の体制のもとで聖徳太子が制定したと言われている「十七条憲法」とほぼ同時期にできあがった「冠位十二階」の制度は、その後の変遷を経て8世紀に入り大宝律令のもとでの「位階制」として整備されていきます。

さて、これらの階級制の下での「階級」がどのような判断基準で昇降させることとなっていたのか非常に関心があります。

なぜなら、今、日本的、東洋的と言えるかもしれない職能等級制度などのメンバーシップ型の雇用制度を、西洋的とも言えるジョブ型雇用に変えようと社会の動きがあるからです。

果たして、「人事制度の歴史」は現代の人事制度の役に立つのか、夢は広がるばかりです。

(梅谷幸弘幹事=支部通信編集担当)

20231218.png聖徳太子創建 紫雲山頂法寺 六角堂(京都市)

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