関西支部発

「労働遺産パネル討論会」に参加して

2025/02/03

 
会員・薗田早織(国際経済労働研究所 理事)
(関西支部通信第43号=24年10月号から転載)

この討論会のプロジェクトチームに入れていただいていたので、まずは無事に開催できたことに安堵しています。同時に、「働く現場の歴史を後世に伝える」ことへの思いを一層強くする機会となりました。
パネルディスカッションで仁田道夫先生が指摘された、労働遺産を考える際、歴史上の大きな出来事だけでなく、「保存・継承に努力している人やコミュニティ」「労働史上の多彩で豊かな経験や労働にかかわった多くの人」にも光を当てるという視点は、大変重要だと思います。個人的には、後者の例として挙げられた、芝浦製作所鶴見工場(京浜小唄)、高野山金剛峰寺などがとくに興味深く感じられました。このような事象も労働遺産として積極的に認定することで、労働遺産について広く知ってもらえるようになるのではないかと思います。

また、大原社会問題研究所(大原社研)のような専門機関であっても、保管スペースや研究の担い手の不足という課題を抱えておられるということも共有いただきました。同様の課題をもつ機関は多く、労働組合などからも歴史の継承への課題感はよくうかがいます。このような取り組みを守るということも、本事業を考えるうえで持たなければならない視点だと思います。

最後の「アピール採択」ではアピール文の読み上げを担当させていただきました。大変緊張していましたが、会場の皆さんの温かさに助けられ、無事に満場一致でアピールを確認することができました。 あらためて、貴重な機会をいただいたことに感謝するとともに、これからもできる限り本事業に関与していきたいと思います。

※9月5日(木)14時00分から、ちよだプラットフォームスクウェアにおいて「労働遺産」パネル討論会~働く現場の歴史を後世に伝えるために~がオンライン併用(Zoom配信)で開催されました。

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