労ペン賞

日本労働ペンクラブ賞は特別賞を3人が受賞 神津里季生、逢見直人、齊藤幹雄会員

2025/03/24

 
(会報223号=25年2月25日号から転載)

2024年度の日本労働ペンクラブ賞特別賞を受賞したのは会員3人の論文。いずれも、近畿大経営学部発行の「商経学叢」(第70巻2号=23年9月)に掲載されたものである。元同大教授・中島敬方会員の退官記念号で、逢見直人会員(『友愛会』を源流とする労働組合学校の足跡)、神津里季生会員(未だ『戦後』は終わっていない~わが国の展望への一考察」、齊藤幹雄会員(雇用構造のフレキシブル化)が寄稿した。

総会第2部・式典では、司会の西澤代表代理が授賞内容を紹介し、神津、齊藤の両会員(逢見会員は都合で欠席)が登壇、それぞれ表彰状を受け取った。神津会員は「学究的な論文にはほど遠い」と謙遜し、「授賞されるとは夢にも思っていなかった。大変、ありがたいこと」と感謝。論文内容に関連して「日本の民主主義は未成熟だが、これは成熟するチャンスがあるということ。今の政治状況では2点(特徴が)あり、ひとつは国会でまともな議論ができつつあること、一方で、兵庫県知事選がSNSで左右されたように、でたらめなSNSの世界の問題。楽観はできないが、日本の民主主義は成熟に向かって、世界の民主主義をリードするかもしれない」と、連合労働運動をリードしてきた現場での経験に基づく、持論を展開した。

また、齊藤会員は「退官者の記念論文集を上梓することは伝統的に行われてきたが、最近はほとんどの大学でなくなり、近畿大のようなケースはまれ。伝統を守っているのは素晴らしい」と、研究者として指摘し、「その論文集に寄稿させていただき、光栄の至り」と述べ、「その上、労ペン賞までいただき、選考委員の方々の配慮にお礼を申し上げる」と感謝した。

労ペン特別賞を受賞にあたり

逢見直人

連合総研研究員時代に親交があった、中島敬方近畿大学経営学部教授が2022年3月に定年退職されることから、同大学の『商経学叢』退任記念号に寄稿してほしいとの依頼があり、喜んでお引き受けしたことがこのたびの受賞になりました。

2021年10月に私が、富士社会教育センターの理事長を引き受けたこともあり、1912年に結成された「友愛会」を源流とする労働組合による労働者教育の足跡を辿ることで、今日までの系譜を明らかにすることをテーマにとりあげました。

その一連の足跡を追いながら大正期から戦後にかけて労働者教育に情熱を傾けた、賀川豊彦、森戸辰男、山名義鶴、上條愛一の業績を辿ることで、100年余に及ぶ、民主的労働者教育の一筋の道が続いていることを明らかにしようとしたものです。この度の受賞は望外の喜びであり、厚く御礼申しあげます。

総会労ペン賞授賞・齊藤さん総会労ペン賞授賞・齊藤さん

受賞の弁を語る神津会員受賞の弁を語る神津会員

  
 

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