2022/03/28
- 日本労働ペンクラブ(山田計一代表、約190人)(注1)は、創設40周年記念事業として、労働遺産事業を開始しました。労働に絡む、列島各地の「労働遺産」は、時代の変遷とともに、忘れられ、風化し、消滅の危機にあるものも少なくありません。そこで、様々な対象遺産の中から、労働ペンクラブ会員が推薦(申請)した案件を、「労働遺産認定委員会」(委員長・西澤昇治郎代表代理)で審査し、相応しいと認められる候補を選定し、総会で顕彰、記念品を贈り、働く現場の歴史を後世に伝承することが目的です。次世代に継承、発展させるための有意義な運動と自負しています。
- 当初は、創設40周年の2021年1月の総会で事業を具体化、対象団体に認定証を交付し、トロフィーを贈る予定でした。しかし、折りからのコロナ禍のため、対象を選定する等の作業が進まず、1年遅れとなりました。
- 2022年1月13日の総会で、初の認定証を交付したのは、以下の2件です。
- 今回、認定証を交付したのは、会員から申請された14件のうち、ⅰ・川崎・三菱大争議など大正時代の関西労働運動の記録、ⅱ・近代的労働運動発祥の地記念碑と遺構で、これらの労働遺産を所有、管理する4団体(注2)に交付しました。
ⅰの関連では、「友愛会関西労働同盟会機関紙『労働者新聞』」と「神戸川崎・三菱大争議の実写フィルム」が労働遺産第1号の1、2となり、これを保存・管理する「法政大学大原社会問題研究所」が交付先団体です。
同1号の3は、賀川豊彦著「死線を越えて」の草稿で、同様に「賀川豊彦記念松沢資料館」が交付先団体です。
同1号の4は、「賀川豊彦生誕100年記念碑」で、同様に「賀川記念館」が交付先団体です。
ⅱの関連では、「日本労働運動発祥之地『石碑』」と「惟一館(いいつかん・初期労働会館)の煉瓦塀の一部と煉瓦」が、合わせて労働遺産第2号となり、これを保管する「一般財団法人日本労働会館」、管理する「友愛労働歴史館」が交付先団体です。 - 日本労働ペンクラブ総会(第42回)は、1月13日(木)に、千代田区神田錦町3-21、ちよだプラットスクェア5階会議室で開催され、午前11時から正午までの第1部議事で、労働遺産認定2件正式に決定し、正午すぎからの第2部式典で、4団体に認定証を交付し、記念のトロフィーを贈りました。
(なお、遠距離のため、当日、参加されなかった神戸の賀川記念館には、2月20日の関西支部総会に合わせて、森田定和関西支部代表から同館で馬場一郎館長に対して、認定証と証文を刻んだトロフィーをお渡ししました=関西支部の項参照)
注1.日本労働ペンクラブは、1981年1月12日に、朝毎読共同NHKなどのマスコミ各社の労働記者や労働評論家、労働専門誌記者、研究者らが「労働」をキーワードに集合して結成した親睦組織。発足当初は50人だった会員は、現在、190人を数えます。主な活動は、部外の専門家を招いてのヒアリング、会員によるセミナー、国際交流、見学会などを実施しています。会員には、現マスコミ幹部や大手マスコミの編集委員、記者、元厚労省幹部、大学教授、研究者、元労働運動家らがいます。
注2.交付先4団体は以下の通りです。
名称 | 所在地 | 連絡先 |
---|---|---|
法政大学大原社会問題研究所 | 町田市相原町4392 | 042-783-2305 |
賀川豊彦記念松沢資料館 | 世田谷区上北沢3-8-19 | 03-3302-2855 |
賀川記念館 | 神戸市中央区吾妻通5-20-20 | 078-221-3627 |
一般財団法人団日本労働会館 友愛労働歴史資料館 |
港区芝2―20-21 | 050-3473-5325 友愛労働歴史館 |
以上
認定証を受け取った3団体の皆さま(当日ご出席)
受賞の喜びを語る法政大学大原社会問題研究所の榎一江先生
日本労働ペンクラブ労働遺産認定経過報告(西澤労働遺産認定委員会委員)
資料1の文中にある添付資料
認定した2件の申請書2通
資料3の参考資料
労働遺産に関わる「3点セット」
グラフ・写真で見る労働遺産交付式
【法政大学大原社会問題研究所の交付シーン】
榎先生の交付挨拶
山田代表から認定証を受け取る榎先生
【賀川豊彦記念松沢資料館の交付シーン】
黒川館長の交付挨拶
山田代表から認定証を受け取る黒川館長
【日本労働財団の交付シーン】
徳田理事の交付挨拶
山田代表から認定証を受け取る徳田理事