2023/01/10
認定事業は着実に前進
労ペンの労働遺産認定事業は2年目を迎え、認定委員会は本年度の申請案件4件、昨年度からの持ち越し案件より2件の計6案件を審査対象とした。
審査は、先ず全認定委員が個別に、各案件に対し「対象要件その他審査上の確認リスト」(16項目の確認と総合判断)に基づく評価を行った。その結果(集約)を基に「誰もが理解・納得できる労働遺産」の視点で、数次にわたる全体審議を経て、次の2点を認定遺産候補として推薦を決定、第9回幹事会に答申し確認された。
2022年度労働遺産候補
(詳細は別掲参照)
- 登録内容・わが国における「8時間労働制」の実施発祥の地
- 登録内容・戦前実業家の労働理想主義による労働環境改善と社会貢献(大原孫三郎等)
本年度申請・認定に関する特徴
- 昨年の認定遺産は、ともに労働側案件であった。本年度の認定候補2件は経営側案件である。その結果、労働遺産の特徴である労使バランスを保つこととなった。
- その認定候補の1件は、会員と認定PTの合同申請となった。(昨年は2件とも認定PT申請)
- 新たに2件の会員(共同)申請が、今後更に内容の補強・肉付けが必要との条件付で行われた。
- 昨年度からの持ち越し案件の整理を含む継続案件等の新たな取り扱いについて、認識を共有し次年度に引き継ぐべく、答申書付議事項とした。等である。
今後の活動に向けて
この2年間、認定要綱に基づく実践ルールやツールを整えながら活動を進め、前年度と合せ4件の労働遺産を認定する運びとなった。これは草創期故の齟齬や混乱を、多くの関係者の懸命な努力等により乗越えた結果であり、事業の基本である「会員申請による活動展開」に向け、着実に歩を進めている証といえる。
今後は、課題である「事業に関する会員への理解と浸透、会員の共感と参画、全員参加型の運動展開」の実現を目指し、「会員が申請し易い環境づくり」を一層進めていかなければならない。
会員の皆さんへ
労働遺産認定の目的(意義)は、「会員各位が労働遺産を発掘し、その意義と価値を認識し継承、保全することの重要性を広く社会に発信し、働く現場の歴史を後世に伝えること」にあります。
その実践は、会員がこの基本認識を共有し、自ら汗をかくことに尽きます。皆さんの積極的な参画を心よりお願いする次第です。
(認定委員会委員長・西澤昇治郎)