2025/03/10
(会報223号=25年2月25日号から転載)
2025年1月9日(木)、東京・内幸町の日本プレスセンターで、2025年度(第45回)定期総会が幹事会役員を含めて43人の会員の出席の下、開催された。
労ペンのさらなる飛躍を期す
冒頭の代表挨拶で植木代表は、「2026年1月に創設45周年を迎える労ペンの更なる飛躍を期して、25年は『組織全般の見直し・点検の年』としたい。労ペンとして身の丈に合った活動を進めるため、組織の「再点検委員会」(仮称)を設置して、ルーティン諸活動などについて見直し、「走る労ペン」のキャッチフレーズのもと、身の丈に合った、新しい労ペンの姿を考えていきたい」と述べた。
2024年度活動報告・2025年度活動計画
続いて、24年度活動報告及び25年度活動計画の提案を溝上事務局長が行った。活動報告では、定例活動ではコロナ前に戻り、会員セミナーは計5回、ヒアリングは行政関係で計2回開催。労ペン恒例の春闘レクは経団連レクも含め、ヒアリングは12組織、会員参加数は延べ217人と前年比25人増となった。この他見学会(日帰り:東京ガス横浜テクノステーション訪問20人、一泊:三重県ジャパンマリンユナイテッド津事業所10人)、海外視察(韓国訪問団15人、日本ILO協議会と共同派遣)、意見交換会(JILPT、全労生、連合総研)など行う一方、会報、HPなどにより、回内外への活発な発信を続けた。
特に24年度目標に掲げた①労働遺産パネル討論会の開催、②「戦後80年の今、戦争を考える」冊子の発行を会内外の協力により実現できた。「労働遺産パネル討論会」では、「働く現場の歴史を後世に伝えるために、内外に働きかけを強化し、運動の社会的拡大を図っていく」というアピールを採択した。昨年スタートした講師紹介事業も2件の紹介を実施できた。
そして25年度活動計画案については、新規に「再点検委員会の設置」をして、9月まで半年間論議し、26年1月の創設45周年記念総会に「再生見直し案」を提案することにしている。社会貢献事業としての「日本労働遺産認定事業」、「講師紹介事業」の二大事業は、継続実施し定着・普及に務めるとしている。従来企画のヒアリング・会員セミナーについても、ハイブリッド方式やオンライン参加者だけにする「オンライン方式」も検討する。春闘ヒアリングについても、2~3月にかけての春闘ヒアリングは従来通り実施すると共に、秋にかけて春闘総括ヒアリングを依頼し、ヒアリング組織の見直しも進めるとしている。その他、見学会・国際交流・懇談会・意見交換会・会報・HPなどについても、企画にあたって会員のニーズを把握し時機に適したテーマを選定するなど、より実りあるルーティン活動の実施を打ちだしている。
その後、保高事務局次長から2024年度決算報告、2025年度予算案についての説明・提案、中村会計幹事による会計監査報告が行われた後、一括して2025年度活動計画案・予算案について拍手で承認された。
関西支部からも活動報告
関西支部の森田定和代表が総会に参加し、活動報告があった。2月11日(日)に関西支部総会を開催。支部会員31人中16人が参加した。総会後、研修会(第1回)を開催。小野順子弁護士(支部幹事)による「官製ワーキングプアから見た地方公務員制度について」をテーマに講演を行った。第2回の研修会は11月23日(土)、山下嘉昭・元全日本塗料労働組合協議会書記長(支部会計監事)が「業種別労働組合の組織と運動~塗料労働運動の30年」をテーマに講演を行い、会員を含め19人が参加した。9月14日(土)には会員交流会を開催。梅谷幸広支部幹事を講師に勉強会と意見交換を行った。会員投稿による『支部通信』は年3回発行した。
労ペン賞を授与
次に、2024年度労ペン賞選考員会選考結果について、稲葉労ペン賞選考委員長から、「2回にわたり委員会を開催、厳正な審査の結果、他薦で推薦のあった論文3作について、いずれも労ペン規定第3項による『特別賞』に当たるとする」との報告があり、満場の拍手で承認した。特別賞の該当作品は以下の通り。《特別賞の該当作品》①逢見直人さん(会員)「『友愛会』を源流とする労働組合学校の足跡」、②神津里季生さん(会員)「未だ戦後は終わっていないーわが国の展望への一考察」、③齊藤幹雄さん(会員)「雇用のフレキシブル化」。
第4回労働遺産認定証を交付
続いて、第4回労働遺産認定報告について、西澤認定委員会委員長から「労働遺産認定要綱に基づき、会員より申請された労働遺産候補について審査の結果、下記の2つの候補について第10回幹事会に答申し確認を得たので、本総会で認定労働遺産として承認を求めたい」と報告し、満場の拍手で承認された。認定遺産の登録内容は以下の通り。①日本の近代的労働運動の先駆者が残した「友愛会綱領」及びその関連資料、②安全衛生運動のあけぼのの記録。
続いて、25ー26年度役員候補16名(内3名は新任)について、山田推薦員会委員長が候補者紹介を行い、満場の拍手で承認した。この後、労働遺産認定証交付として盾の交付と労ペン賞の授与の式典が、受賞団体・受賞者にそれぞれ植木代表から授与され、各受賞者が挨拶を述べ、全員で拍手をして受賞を祝い合い、総会を閉会した。
新年懇親会を盛大に開催
総会に引き続き、恒例の新年懇親会が開催され、政府及び労使団体の幹部などのゲストを交え懇談した。
主催者を代表して植木代表は、明治維新・敗戦などをへて現在に至る背景には日本社会の強靭さがあったと指摘。メディア等が政権批判などをしても拘束/逮捕されない自由な日本を守っていかなければならないと強調した。
次に、主賓を代表して芳野友子連合会長と厚生労働省の田中誠二厚生労働審議官が挨拶した。連合の芳野会長は、今年は賃金が上がるというノルムをかえる節目の年にしたいと表明。田中審議官は、賃上げのための環境整備に向けて、昨年に引き続き47都道府県でも政労使会議を開催し、賃上げを支援していきたいと述べた。
このほか、来賓を代表して全労連の秋山正臣議長、全労協の渡邉洋議長からも挨拶があった。懇親会は95人が参加して、新春にふさわしい和やかな懇談の場となった。(渡辺美知夫 荻野登)