私の主張

労働戦線再編から30年3会員が労働運動活性化で提言

2019/11/25

 
久谷 與四郎

1000万連合の早期実現を

「私たちが未来を変える」の大会スローガンから、「働く仲間の確かな未来を拓くため、力強く新たなスタートを切っていく」と強調した大会宣言に至るまで、連合結成30年の節目となる第16回大会は、"未来"への決意が印象に残る大会だった。

大会では、これまでの「働くことを軸とする...」をその後の情勢変化を取り込んでバージョンアップした「働くことを軸とする安心社会~まもる・つなぐ・創り出す~」を新ビジョンとして公表し、確認した。大会であふれた「未来」は当然ながら、新ビジョンに焦点が当てられている。

神津会長は就任あいさつで「誰かがやってくれるのではない。私たち自身がやらねばならない。未来を変える責任は私たちにある」と、強調した。

連合には、この30年の節目が「再出発」という意味が強いに違いない。組織人員と賃上げが反転し始めた状況にあるからだ。

組織人員は結成時をなお割り込んではいるが、反転して今年700万人台に乗せた。賃上げも1%台の低迷から脱して、6年連続して2%台を維持している。しかも、大手より中小が高いなど、格差圧縮も鮮明になった。

新ビジョンは、働くことに最も重要な価値を置き、公正な労働条件の下、多様な働き方で社会に参加する姿を描く。団塊の世代が後期高齢者になる2035年の実現を目指している。その初年度となる運動方針には、集団的労使関係の拡充も盛り込んだ。

立派な設計図と、それに向けた決意は、大会から十分伝わってきた。問題は、実際にそれをどのように実現していくか、である。残念ながら、ビジョンも方針も具体的には示していない。

あえて、答えをだすとすれば、それは「1000万連合」の実現以外になかろう。遠回りで難しい道のように見えるが、労働組合の原点は「団結」ではないか。結局は初心に帰ることこそが早道だ。いま多弱状況の野党も、現実に1000万連合を目にすれば、二大政党の一方に整理されざるを得まい。

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