2025/04/07
(支部通信第44号=25年1月号より転載)
2024年11月23日(土)午後1時00分から午後2時まで、大阪府立労働センター(エル・おおさか)4階にある、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)に於いて、関西支部施設見学会を開催しました。施設の大きさの関係上、参加者は10名でした。
関西支部会員でもある、館長の谷合佳代子さんに館内を案内頂き当時の貴重な資料を開示下さり説明頂きました。
1978年、大阪の社会運動史に関する資料を収集し、『大阪社会労働運動史』を編纂・発行するために、公益財団法人大阪社会運動協会が設立されました。2000年からは大阪府の委託を受けて、大阪府労働情報総合プラザの運営が始まりましたが、2008年の橋下徹大阪府知事の財政改革により、大阪府労働情報総合プラザは廃止され、当協会に対する補助金・委託金は全廃され、その後さらに入居しているエル・おおさか(府立労働センター)の家賃も2倍となり、極端な財政難のもとで、資料館の運営を余儀なくされました。廃棄されることになった大阪府労働情報総合プラザの旧蔵書約17,000冊と、大阪社会運動協会の蔵書・資料を統合し次世代に継承するため、個人や団体の支援によって、同年10月にエル・ライブラリーが開館しました。
エル・ライブラリーは労働専門図書館として、戦前・戦後の日本、大阪の社会運動と労働運動の歴史を映し出す貴重な歴史的資料・蔵書類を数多く所蔵しています。『大阪社会労働運動史』の編纂は、1986年に第1巻戦前編(上)が刊行され、今年7月に第10巻を刊行し、2020年までの資料が納められました。
エル・ライブラリーはMLA(Museum、Library、Archives)融合型図書館として3つの機能を活かした展示・イベントを開催しています。
当日の見学は、第4書庫から閲覧室に運んで頂いた、脱酸素処理された敗戦直後の資料の説明から始まり、旭高校の資料、近江絹糸の当時10歳代の若い労働者たちが手作りしたガリ版資料等を拝見しながら説明頂きました。続いて第3書庫から第6書庫まで4個所の書庫を順次見学しました。
労働組合の様々な原資料・機関紙、社史、また、当時発禁になった雑誌『戦旗』(1929年6月号、「蟹工船」を掲載)、旧民社党の選挙戦資料までありました。
第3書庫には、労働文化協会の久留弘三が、ジュネーブで開催されたILO第5回総会にオブザーバー参加した際に発給された旅券(1923年)、藤永田造船所争議資料として、労働組合の嘆願書や要求書、会社の回答(1921年)、日本労働総連盟映画従業員組合本部の組合旗(1935年ごろのもの)、三池争議のホッパーパイプ(1960年)、スターリン追悼大会ポスター(1953年)などが展示されています。そのそれぞれについて説明頂きました。
閲覧室には、労務関係専門雑誌、各種実務書の最新版も置かれ、実務家、研究者等の方々が利用されています。
谷合さんのお話は大変興味深く、あっという間に1時間が過ぎてしまいました。
電子広報活動として、メルマガ、ブログ、Twitter、Facebook等を活用されています。サポート会員制度もあります。今回参加されなかった方も是非一度訪れてみることをお勧めします。(藤木)
谷合館長