関西支部発

二日目はエル・ライブラリーなどを見学

2019/09/02

 

二日目は北浜東にあるエル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の見学と社会・労働運動の歴史を深く刻んだ場所を巡った。

同ライブラリーは、公益財団法人大阪社会運動協会が運営する労働専門図書館で、谷合佳代子館長によると、博物館(Museum)、図書館(Library)、文書館(Archives)の性格を兼ねたMLA融合型という点が大きな特徴だという。

同協会はこれまで9巻刊行している『大阪社会労働運動史』を編纂するために1978年設立され、関連史料を精力的に収集し、2000年からは大阪府の委託を受け、「大阪府労働情報総合プラザ」も運営してきた。

しかし、08年に就任した橋下徹府知事の財政改革によって同プラザは廃止され、協会への補助金もすべて打ち切られた。プラザが収集してきた約1万7千冊の蔵書と同協会所蔵の史料は廃棄の危機に直面したが、08年7月の閉館後、両組織を統合・継承するため、多くの個人、団体の支援により10月にエル・ライブラリーとして再スタートした。

開館に漕ぎつけるまでに、正職員や賃金の削減といった痛みは伴ったが、現在は労組・企業などからの寄付で毎年約2000万円の運営費を捻出し、市民ボランティアが運営を支えている。館長からは写真・ポスターなどの生の資料に基づく解説を受け、戦前からの社会・労働運動の息吹を感じた。

ライブラリー見学後は、大正10年に大阪で初めて開かれたメーデーの開催地(中之島公園)、開館100周年を迎えた大阪市中央公会堂(中之島公会堂)、大阪府立中之島図書館(住友家寄付)といった歴史に名を刻む場所を谷合館長の名解説のもと巡り、中之島界隈が大阪の社会運動のメッカだったことを体感する。

(荻野登)

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