労ペン賞

労ペン賞応募作③

2019/12/02

 

〖自薦〗「トヨタの話し合い」(ダイヤモンド社)

弁護士、自動車総連顧問  加藤 裕治著

連合結成から30年を迎える今日、労働組合の存在感が薄れているという評価がもっぱらである。まして、個別労組の活動がどのように行われ、どのような存在意義があるのかについて、議論が行われることもほとんどなくなっている。

しかし、特に日本の製造業において企業内組合が果たしている役割は今でも小さくない。個別企業において労働組合はどのような役割を果たしてきたのか、あるいは果たしていくことができるのか。また、個別企業内での労使協議の実態とはいかなるものであったのか、あるいはあるべきか。

このような、これまであまり描かれることのなかったテーマについて、トヨタ自動車労働組合の企業内における諸活動を、その渦中にあった人間として、主に、トヨタが高度経済成長期から安定成長期に果たしてきた役割を中心に描くことで、労組研究、あるいは労働組合活動に携わる方々の貴重な資料となることを狙いとして執筆いたしました。

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工場法小史

横田 隆

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〖他薦〗 野口敞也(のぐち・ひろや)会員推薦 「アジア太平洋の労働運動 連帯と前進の記録」( 明石書店刊 )

連合国際顧問法政大大学院客員教授  鈴木則之著

本書は、アジアの労働運動を18年間、最前線でリードしてきた著者の激動 の記録であり、氏の信念の吐露である。本書の中心をなすアジア数か国のナショナルセンターの設立に関わる第2章は、著者が直面し、苦悩し、説得し、共闘したすさまじい体験談である。混乱し激動する社会・政治の中で、自由にして民主的なナショナルセンターを建設することがいかに難事であったか、また命の危険を伴う命題であったか、読者は身震いするほどの感動を随所で与えられる。私はかってその一つの場に遭遇したことがあるが、本書を読んでその裏にあった権力の横暴さと運動家たちの葛藤・躍動を克明に知ることを得た。同時にまた、労働運動は本来的に「闘い」であることを痛感し、確信した。

第3章以下は、国際組織がICFTUからITUCへ移行する中で、アジア太平洋地域の組織がどう対応してきたか、そのなかで著者が何を考えどう行動してきたか、今日につながる貴重な記録である。

著者がその全生命をかけてきたこの重い体験記録を、労働運動に関係する 多くの方々に読み、味わっていただきたいと考え、推薦する次第です。

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