ヒヤリング

経団連・輪島本部長が19春闘
経労委報告を解説

2019/02/01

 

経団連会長交代後、初の春闘で、中西宏明会長が書いた序文に意向が表現されている。日本経済は安定的に成長しているが、国際的に反グローバル化の動きが広がり、日本へもリスクがある。働き手には、想像力と創造力を発揮し、自律的な能力開発を期待したいと主張。労使には、大きな転換点にあるとの認識を共有し、自社に適した働き方、処遇の在り方について徹底的な議論を期待したいと述べる。

報告書の力点は次のとおり(本年からカラー印刷)
1、働き甲斐を高める働き方改革と、労働生産性の向上。
2、労働時間、格差是正の法改正と、企業の対応。
3、イノベーションを起こす人材育成の在り方。
4、女性、高齢者、障碍者、外国人材の受け入れ等のダイバーシテイ経営の推進。
5、新たな価値創造を目指すソサエテイ5.0の実現。

さらに、10月実施予定の消費税引き上げによる影響を注視。官製春闘についても、脱却を主張。歴年の春闘結果は、実質賃金の向上に寄与していないとの批判には、パートが増える等の就業構造の変化によるとし、特に社会保険料の8.2%もの上昇が原因だと論じる。

今後は、ベア、定昇による累積賃金増に注意し、総額人件費が所定内賃金の1.7倍になっているため、総額人件費管理の徹底を求めている。

一方で、労働分配率は66.2%に下がっていること、生産性向上の具体策、企業の内部留保は上がり続けていることに対しては、今一つ。説得力ある解説を望みたい。

(森下一乗)

  
 

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