ヒヤリング

JILPTとの意見交換会を開催

2018/10/19

 

日本労働ペンクラブとJILPT(労働政策研究・研修機構)との意見交換会が10月19日に開かれた。労ペンからは稲葉代表ほか31名の会員が、JILPTからは今年4月に就任した樋口美雄理事長、濱口桂一郎研究所長ら9名が出席した。

まず樋口理事長が「ようやくJ ILPTのしごとに馴染んできたところでの意見交換でタイミングが良かった。これまで以上に政策基盤に資するエビデンスベースの研究成果を提供していきたい」と挨拶。そのあと、ごく最近に発表された二つの調査研究成果が紹介された。

堀有喜衣さん(主任研究員)は、「日本的高卒就職システムの現在」と題し、1997年、2007年、2017年の3時点にわたり、7 都県の高校、企業、ハローワークなどに対して実施した定点観測調査の結果について報告。「推薦指定校制」「一人一社制」という高校-企業間の仕組みは概ね維持されながらも、時代の推移に伴い相当程度、調整・変化されつつあるとし、校内選考よりインターネットなどを活用した生従の主体性が高まっていると指摘した。

会員からは、今後は大卒の就業実態についても成果が聞きたいとの声が上がった。

渡邊木綿子さん(副主任調査員)は、短時間労働者への社会保険の適用拡大政策が、事業所や当該労働者にどんな影響を及ぼしたのかについて、厚労省要請の大規模調査(全国の2万事業所と短時間労働者5.6万人を対象に昨夏実施、5523社と6418人が回答)の結果を取りまとめた。適用拡大策のみ実施企業が15.3%。適用回避策のみの企業が21.7%、両方実施企業が47.9%で、人手不足感が高まったタイミングでの施策だったので、適用拡大を前向きに受け止めた事業所も少なくなかったのではないかなどと報告した。

(山田 潤三)

  
 

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