2025/09/29
全国消防職員協議会 川北研人事務局長
(会報225号=25年9月25日付から転載)
25年7月10日(木)、全国消防職員協議会の川北研人事務局長から「自治体消防・救急に潜む危機」と題するヒアリングを受けた(オンライン不調で出席者は会場に10人)。
年末年始の救急需要急増、救急車の到達時間の10分越え、連続出勤により多発する事故など、日本の救急体制はひっ迫している。
消防職員の休憩・仮眠時間については、火災等の発生に備え署内で待機することとされているが、労基法上の労働時間でなく休憩時間に当たるという総務省消防庁の通知に基づき、労働時間とは認められていない。
消防職場をとりまく労働条件の不適切な運用が常態化している。さらに、火災現場において消防職員の悲惨な殉職事故が多発している。これは、救急要請のひっ迫に加え、現場対応以外の業務過多、訓練実施時間の減少などによる。
24時間体制、上意下達な文化及び階級制度のため、ハラスメントも多発している。大規模災害に対する長期派遣も種々の課題の発生要因になっている。
消防職員の充足率は79.5%(全国平均)で、体制整備は十分といえない。
今、消防職場に求められるのは「計画的な増員」、「誰もが働きやすい消防職場」である。
団結権が認められていない消防職員について、1977年8月に、自主的団体として「全国消防職員協議会」が結成され、183単位協議会(全本部数722)、11,373人(全職員数167,861人)が加盟している。全消協は、総務省消防庁への要請行動や消防職場の抱える課題等について自治労消防政策議員懇談会と意見交換を行う。
さらに、政府と自治労は2019年からILO議長集約について、団結権問題を中心に定期協議を繰り返しているが、平行線である。
また、全消協は、「定年引上げに伴う消防本部の課題に関する研究会」にも、委員を通じて意見を反映させ、2022年の最終報告書に盛り込まれた。
最後に、OECD加盟国で消防職員に団結権を認めないのは、日本のみになった。2023年に全消協は、ILO条約勧告適用専門家委員会に消防職員の団結権は不可欠という意見書を提出した。
川北氏の現場の実態を踏まえた詳細な説明は、あらためて消防職員団結権を考える契機となった。
(田口晶子)
消防・救急の問題点を説明する全国消防職員協議会の川北事務局長
川北事務局長の説明に耳を傾ける参加者

