ヒヤリング

厚労省労働条件政策課澁谷課長による「労働基準関係法制研究会報告書」レク

2025/07/07

 

「労働基準関係法制研究会報告書」について

厚生労働省労働基準局労働条件政策課 澁谷秀行 課長
(会報224号=25年5月25日号からの転載)

今年度最初のヒアリングとして、4月10日、厚生労働省渋谷労働条件政策課長から「労働基準関係法制研究会報告書」について説明を受けた(出席者は30人)。

労働基準関係法制研究会(座長:荒木尚志東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、令和5年10月に「新しい時代の働き方に関する研究会」(座長:今野浩一郎学習院大学名誉教授)の報告書において今後の労働基準関係法制の課題と目指すべき方向性が取りまとめられたことや、平成30年の働き方改革関連法附則の規定により、同法による改正後の労働基準法等について、その施行状況等を勘案し必要があるときは所要の措置を講ずるものとされていたことから、今後の労働基準関係法制について包括的・中長期的な検討を行うとともに、労働基準法等の見直しについて具体的な検討を行うことを目的として、令和6年1月から開催され、今年1月8日にその報告書が取りまとめられたものである。

報告書では、労働基準関係法制に共通する課題として、①保護対象とする「労働者」について、特にプラットフォームワーカー等の新しい働き方をする者の増加に対応し、労働者性の判断の予見可能性を高めていく必要があり、そのために労働者性の判断基準について継続して研究を行っていく必要がある((注)厚生労働省では、この提言を受け、近く新たに研究会を設立する予定であるとのこと)、また、家事使用人について、その実態を踏まえ、労働基準関係法制をどのように適用するのがよいか早急に検討すべきであるとし、②現在の事業場単位の法適用の在り方について、企業内における労使コミュニケーションの状況や最近の働き方の変化等を考慮し、企業単位等での法適用についても検討する必要があるとしている。また、③労働基準関係法制においては、一律に順守すべき法定基準のほか、労使コミュニケーション(労使間の協議・協定)により個別の企業、事業場、労働者の実情に合わせて法定基準を調整・代替する仕組みが多く取り入れられているが、そのコミュニケーションの労働者側の当事者である事業場の過半数代表、特に過半数労働組合がないときの過半数代表者の選出手続、役割等について詳細に検討し、まずは労働基準法において、過半数代表者等の法律上の位置づけ、役割、過半数代表者に対する使用者からの関与や支援等について明確に定める必要がある(法改正)と提言している。

また、労働時間法制の具体的な課題については、特に、①テレワーク等の柔軟な働き方をする場合の労働時間管理の在り方、②管理監督者等に対する健康・福祉確保措置、③労働者の健康確保のための13日を超える連続勤務の禁止や法定休日の特定化、④勤務間インターバル制度の導入促進とそのための法規制の強化、⑤副業・兼業の場合の割増賃金の取扱い等について提言している。

厚生労働省では、上記の報告書を受けて、今年1月から労働政策審議会労働条件分科会において今後の労働基準関係法制の在り方について議論が行われており、年内にその見解が取りまとめられる予定とのことである。 ヒアリングでは報告書について若干の質問が出されたが、まずは、労働政策審議会労働条件分科会における議論やその最終の見解に注目したい。(氣賀澤克己)

厚労省労基法研究会報告書について説明する澁谷課長厚労省労基法研究会報告書について説明する澁谷課長

厚労省労基法研究会報告書ヒアリングで質問を聞く澁谷課長厚労省労基法研究会報告書ヒアリングで質問を聞く澁谷課長

  
 

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