2025/11/04
(会報225号=25年9月25日号より転載)
労ペン活動の重要な柱の1つである春闘ヒアリングを毎年春に開催している。今年は春のヒアリングに続き、今春闘結果を検証する総括ヒアリングを連合をはじめ5団体で開催し、延べ88人の会員が参加。活発な質疑や意見交換が行われた。
今年の賃上げ率は連合の最終集計は5.25%。24年の5.10%に続き、2年連続の5%台の賃上げを実現した。ベア分も3.70%と昨年を0.14ポイント上回った。一方、300人未満の中小組合は4.65%となった。結果について芳野友子会長は2年連続の高い賃上げを評価する一方で「大手と中小の格差を解消するには至らなかった。格差是正という分厚い壁を打破することの難しさを改めて実感している」と総括。今後も格差是正に向けて地道に取り組んでいきたいと語った。
また、UAゼンセンの7月末時点の賃上げ率は4.75%(1万4387円)、ベア等は3.30%(1万375円)。昨年同時期の4.90%(1万4306円)に比べ金額では若干上回った。一方、300人未満の組合は4.05%(1万853円)、ベア等は2.84%(8178円)だった。UAゼンセンの多数を占める短時間組合員の賃上げ額は66.4円(5.78%)で、前年の62.0円(5.71%)を上回る高い水準となった。永島智子会長は「正社員は平均値では実質賃金を維持し、一定の生活向上分を確保できた」とした上で、「連合の妥結総合計を2年連続で下回った。妥結水準が低い業種は前年と変わらず、賃金の産業間格差は縮小できたとはいえない」と指摘。短時間組合員について「6%弱の賃上げ率となり、妥結額、妥結率ともに昨年の結果を超えて過去最高となり、10年連続で正社員の賃上げ率を上回り、雇用形態間格差の是正が進んでいる」と述べた。
中小の製造業の単組を多く抱えるJAMの平均賃上げ率は4.71%(1万2888円)。300人未満は4.49%、一方300人以上は5%台と明暗を分けた。ベアを含む賃金改善分ありの単組の平均額は1万4044円。改善分の平均額は300人未満が8581円、300人以上が1万1851円と格差が開いた。安河内賢弘会長は「格差が拡大し大手と中小は言うに及ばず、同じ中小でもこの10年間ベアを獲得してきた単組とそうでない単組では顕著な格差が生まれている」と指摘。その上で「経営者のマインドとして賃上げを認めないという発言も出るなど、3%を超えるようなベアに対する拒否感もある。経営者のデフレマインドをいかに克服していくかが26春闘では問われるだろう」と語った。
一方、中小組合を多く抱える全労連の国民春闘共闘委員会の最終集計は加重平均で24年の3.49%(1万163円)から25年は2.85%(8468円)と0.64ポイント下がった。また非正規は24年の5.70%(46.0円)に比べ4.63%(46.1円)に下がった。全労連の秋山正臣議長は加重平均が低下した背景について「医療、介護、福祉労働者の低額回答が顕著であり、規模の大きい医療関係で厳しい回答状況となったことが要因」と指摘。「医療、福祉、介護関連の労働者の賃上げを勝ち取っていくことが現在の最大の目標」と決意を語った。
個人加入ユニオンの17組織(約5000人)で構成する全国ユニオンは、正社員約6割、非正規社員が約4割を占め、従業員30人以下中小企業が7~8割を占める。賃上げ額(定昇込み)は1万円以上となった支部分会は32。 一方、「運輸・物流」は33分会のうち11の分会に止まったほか、数千円程度の賃上げも目立ち、介護・福祉業界では1000円程度の賃上げも散見された。関口達矢事務局長は「連合集計の平均値に正規・非正規ともにまったく追いついていない。賃上げしても一時金で抑制する企業もあり、生活の向上が実感できない」と指摘。賃上げ状況の厳しさについて語った。
その他、最低賃金をはじめ様々なテーマについて質疑や意見が交わされるなど充実したヒアリングとなった。
連合の春闘総括ヒアリング
25春闘総括ヒアリング参加者数
| 組織名 | 期間 | 申し込み数 | 参加実績 | 25春闘ヒアリング参加者数 |
|---|---|---|---|---|
| ❶全国ユニオン | 8月25日(月) | 13 | 10 | 17 |
| ❷全労連 | 8月27日(水) | 17 | 15 | 17 |
| ❸連合 | 9月1日(月) | 26 | 25 | 30 |
| ❹UAゼンセン | 9月3日(水) | 22 | 19 | 25 |
| ❺JAM | 9月10日(水) | 21 | 19 | 17 |
| 総数 | 99 | 88 | 106 |

