ヒヤリング

グッドカンパニーの条件とは

2018/07/12

 

"本音で話す労使関係"が前提

トッパン・フォームズ社長 坂田 甲一氏

去る7月12日、トッパン・フォームズ(株)社長の坂田甲一氏から「企業発展の条件とは!『労使自治の取組み30余年』」と題した話を聞いた。労ペン会員が現役の経営者からヒアリングするのは極めて珍しいことだ。約30名の会員が参加し、講演後は活発な質疑、意見交換が行われた。

筆者は、およそ10年前の2007年、当時、凸版印刷(株)の人事部長兼人材開発部長だった坂田さんに初めてお会いした。前年発足の「御手洗経団連」の下で労使関係に冷淡な雰囲気が急速に強まった時代だった。そんな中で坂田さんは、「私どもの企業現場は、印刷業という業界特性もあり『安全・安心な仕事環境』と『人づくり』が肝要です。『労使関係の安定』は、そのための前提条件なんです」と明快に語っていたのをよく覚えている。

今回のヒアリングでは、坂田社長に、印刷産業の概況から自社の労使関係の現況、さらには、これからの働き方の方向まで、実に率直に語っていただいた。特に労働組合や労使関係へのスタンスでは次の2点が印象的だった。

①たしかに、今の労働組合に対しては「労働組合なんてもういらない」「労働組合はつらいよ」といった声も聞こえてくる。しかし、企業内組合という限界はあるにしても、会社を本気モードにさせるには、労働組合なりの「捨て身と気迫」が必要である。

②労使関係には「納得性」、「公平性」、「透明性」の3つが大事。当社には3つの労働組合が併存していて、交渉にも時間もかかる。しかし「少数組合だから」といって、おざなりの対応はしてこなかった。これからも"本音で語る"労使関係を大切にしたい。

(川口政彦)

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