ヒヤリング

連合総研との意見交換会を開催 最新研究成果について報告

2025/03/24

 
(会報223号=25年2月25日号から転載)

2024年11月26日、労ペンと連合総研との意見交換会が16時から連合会館で行われた。今回は、連合総研からの報告だけでなく、労ペンからも、40周年記念事業として開始した「労働遺産認定事業」及び「講師紹介事業」について報告を行った。そして、連合総研からの調査研究報告の内容についてを中心に、30人以上の出席者の間で活発な意見交換が行われ、意見交換会後の懇親会を含めて、非常に充実した約4時間であった。

         

開会の挨拶は、西澤代表代理と神津連合総研理事長が行ったが、神津理事長からは、400号を迎えた連合総研機関誌DIOの最近100号を振り返りながら、ここ10年ほどの日本社会と連合総研活動の関わりについての見解表明もあった。

労働組合の未来について提言

続いて連合総研から、今年度調査研究活動全体の概要と、最近の2つの調査・研究結果が報告された。それは、①労働組合の未来を創る~理解・共感・参加を広げる16のアプローチ~と、②非正規雇用労働の深淵~ジェンダー・法制・労働組合~である。

最初の①は、昨今の経済社会が不確実となっている時代において、労働組合が果たすべき役割が大きいにもかかわらず、労働組合の活動に対する社会の共感や期待は必ずしも高いとは言えない、という状況の中で、労働組合の活路を切り拓いていくために何が必要かについて、組合役員と学識研究者の参加を得て、議論を重ねてきた成果である。理解・共感・参加を広げる観点から16の個別テーマが設定されて議論が進められたということである。

報告では、労働組合の未来に向けた5つの提言として、(1)組合活動におけるコミュニケーション(発信・伝達・共有)手段の刷新、(2)地域(コミュニティ)に軸足を置いた組合活動のさらなる前進、(3)労働組合における人材・ニーズの多様性への積極的対応、(4)法律・政策・制度の再検討と運用見直しに向けた働きかけと実現、(5)組織率にとどまらない新たな目標と指針の設定と追求を挙げている。

非正規労働省の組織化のさらなる強化

次に②の報告は、連合総研が10年前から取り組んできた、非正規雇用労働者の働き方・意識に関する実態調査の成果をも踏まえ、あらためて、非正規で雇用される労働者が現在置かれている状態を、実態調査を通じて把握したうえで、法政策・雇用労働政策・人事管理・労働組合運動等の各領域で今後求められる対応策について検討した成果である。

たとえば、非正規雇用で働く労働者は、「労働組合を必要としていない」のではなく、労働組合のことが「よく分かっていない」、あるいは、「身近に感じていない」だけである、と指摘し、労働組合が「必ずそばにいる存在」になるために、連合(労働組合)の社会的価値を共有し、組織化のさらなる強化をはじめ、今後の運動を展開する必要性を指摘している。(いずれの調査研究も、報告書の全文は、連合総研のHPから読むことができるので、ご一読をお勧めしたい。)

意見交換会の席上では、労働組合活動への経費援助、労働者代表制、非正規労働者の無期転換後の処遇、派遣労働者の課題、労働運動を担う次世代をどのように取り込むかなど、広範な労働問題について、活発な意見交換が行われた。

(会員・薦田隆成)

20250324c.png活発に意見が交わされた交換会

  
 

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