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「フィンテク」と消費者保護

2018/09/20

 
楠本 くに代氏

9月20日のアフター5は、楠本くに代会員(金融消費者問題研究所代表)から「フィンテクと消費者保護」について話を聞いた。

フィンテクとは、金融(ファイナンス)と、技術(テクノロジーを組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結び付けた、様々な革新的な動きのことである。(日銀の広報より)

講師は、問題が野放しであり、放置しておくと消費者が大きな被害にあう、早急に保護策を取るべきだとして、EU、英国、米国の動向を調べて、わが国でも適切な対策を打つことを主張する。

フィンテクを使った金融商品、サービスは多岐にわたり、ここで詳しく紹介するスペースのないのが残念だが、最近は、マウントゴックス、コインチェック、米国のD AO事件等、巨額の仮想通貨がハッカー等によって、抜き取られるケースが世を騒がしている。

フィンテクには、管理者がいない、労働者がいない、誰を訴えるのかも定かでない。現在の法体系はDAO(分散自立型組織)を想定していない。世界中で、社会が大きな転換点に突入しようとしているのに、法体系は後追いだけで対処しようとしているように見える。

楠本講師には、主として消費者保護に焦点を当てて説明していただいたが、そもそも、フィンテクというような、管理者のいない、労働者のいない、組織、金融商品に対して、国としての管理の基本ができていないことが、混乱を大きくしているように見える。

フィンテクは、自律的にどんどん発展していく性格のものである。主体は人間にあること、想定される企業活動をコントロールすること、消費者保護の仕組みを併せ持つこと、これらを世界レベルで取り組んでいくことが必要だと、講師の話を聞いて痛感した次第である。

(森下 一乗)

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