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社労士の社会貢献活動 市民サービス低下を防ぐために

2019/09/24

 

7 月25日の「アフター5 」は、森田定和会員(労働ペンクラブ関西支部代表)による「あなたの街の市民サービスの質低下を防ぐには」と題する報告をいただいた。森田会員は公務員を早めに退職され、大阪地方で特定社会保険労務士( 社労士) として長らく活動されている。社労士はわが労働ペンクラブにも相当数の会員がおられる。けれどもその日常の活動や殊にその社会貢献活動についてご存じの方は必ずしも多くはない。森田会員は本人も所属されている大阪社労士会の豊能支部( 当時) の支部長をしておられた経験をふまえて、豊中市の指定管理者を公正に選び評価する選定評価委員会の活動と意義について話された。2000年代に入って進められていた自治体業務の一部を民間の「指定管理者」( 団体単位) に委託する動きに関連して、2011年から豊中市の新規に指定管理者を選定するにあたって全面協力をされた。自治体はその事業者の選定について行政の恣意的な選定や、ましてや談合であってはならず、また「安かろう悪かろう」の価格の安さのみの選定であってはならない。市民の立場に立ち公正で透明なルールをたてたうえでその業務内容・計画を審査し、加えてまたその運営実績を評価し続けてゆくことが求められるわけだ。

さまざまな自治体の活動でこれまでも先進地域と目されてきた豊中市は、選定・評価するための選定評価委員会設置についての「要綱」をたて、委員としておおむね公共サービスの役割に関わる学識経験者、財務管理の専門家( 公認会計士・税理士) 、それに従事者の労務管理に関して専門的知見を有するもの( 社労士等) 、計4 名内外に委嘱している(4回にわたる実務会合を重ねることもある) 。森田会員はこの委員として地域の社労士会の推挙で就かれ長らくいくつもの選定委員会委員を務められた。そこでの基本視点は総合評価のなかでの「労働環境評価」という項目に関わって、本当に労働関係諸法令が遵守されているかどうかをひとつずつチェックすることが重要なポイントとなる。市民サービスのレベルを落とさないために適切な労働関係・労働条件がもとめられるわけだ。地味な実務の仕事ではあるが、社労士の社会貢献活動として公正な社会構築の一翼を担い続けている努力に感銘をうけた。

(井上定彦)

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