会員セミナー

「七転び八起きのキャリアデザイン」

2022/04/18

 
講師・小倉克夫氏(日本キャリアコンサルタント協会理事長)

コロナ禍が下火になったのを捉え、2021年11月25日午後1時から、東京・神田のちよだプラットで、今年初の会員セミナーを行った。講師は日本キャリアコンサルタントタント協会理事長で、長く東海大学の講師を務められた小倉克夫さん。富士フイルムに入社後、関連会社の社長を務められた企業人だ。今回は新しく、入会された機会(2021年7月)にキャリアコンサルタントとは何かというテーマで、講演をいただいた。

まず、職業の選択、生活設計、能力の開発に関する相談、助言、指導を行うことと定義される。その狙いは、社会情勢に的確に対応するために柔軟性が必要であり、いつでも、どこでも、学ぶことが出来、過去、現在、未来から見て自立支援をすることが、キャリアコンサルタントの目的だと説明している。キャリアとは、ラテン語で馬車の車輪の跡を言い、仕事、人生を考えることと説明する。話の中で、この空欄にはどの言葉が入りますか、と問われて、参加者も自然に、人生を考える機会に誘われていた。一方通行的な普通のセミナーと異なり、参加者も講演に加わって、自分探しに踏み出していくのである。

キラーコンテンツといって、格言も出てくる。「振り子の原理」、「当たり前に感謝」、「人生に無駄なものは一つもない」。格言は続く。「心が変われば態度が変わる」、「最後に生き残るのは、変化に対応する者だけである」、「怒りに対しては、まあいいかの鈍感力が大切」といった、身に染みる言葉が並ぶ。これから大切なことは、「健康」、「経済」、家族」の三Kであるという言葉にも納得である。日頃見過ごしている自分の将来について見直す良い機会になった。結論として、未来を切り開く方法が示された。「なりたい自分を認識する」、「予期せぬ出来事をキャリアの機会ととらえる」、「ポジテイブに生きる」、「夢は見るものでなく、かなえるものである」。

活発な質疑があったが、キャリアコンサルタントは食べていけるか、という質問に対して、講師の答えは、一部の人を除いて、食べてはいけない、との返事であった。これからの時代、キャリアコンサルタントのニーズは高まっていくであろうが、「人の知恵にはお金を払う」習慣が根付かない場合は、市場は広がらないであろう。協会の存在理由が高まることを期待したい。

セミナーをお聴きして、講師の3年に亘る闘病、転職を通じた人間力がコンサルタントの実力になっているのだと気が付いた。

久しぶりに、対面による熱のこもった議論、質疑があって、会員セミナーの再開が実感できた。セミナーに先立ち、新入会員の紹介を植木事務局長が行い、心からなる歓迎の意が示された。新入会員が入ってから、いかにして在来会員との融合を図るかということも今後の課題である。なお、参加者は講師も含め19人だった。

(森下一乗)

小倉克夫会員小倉克夫会員

  
 

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