総会

新春懇談会

2019年1月10日

 

盛大に開催された新年会 来賓スピーチに注目集まる

予定通りの午後零時半から、始まった懇親会には、 厚労省の宮野厚労審議官、連合の神津会長、全労連の小田川議長、全労協の金沢議長らの来賓はじめ約150人が参加した。最初に、稲葉代表が『縮む日本』をキーワードにして、「先んじて少子高齢化社会を迎えた日本は各国から注目されている。モデルとしての姿をどこまでつくれるかがポイントだ」と指摘。さらに、昨年の技能五輪で日本の成績がついに9位にまで落ちたことを紹介し、「経済が縮み、ものづくりもうまくいかない」日本は、さらに、AI化などによる激変期を迎える。この厳しく難しい時代をどう切り抜けていくか――と、暗雲漂う、縮んでいく日本の現状への問題を提起した。

宮野厚労審議官は、この提起に応じた形で、「長時間労働の是正、同一労働同一賃金の実現は、人口減少社会で縮んでいかないよう、経済の活力を維持していくもの」と働き方改革の目的を説明し、通常国会で成立させること、生産性革命、人づくり革命に関しても施策を詰める作業中とした。

続いて立った神津・連合会長は連合の知名度を上げること、「底上げ春闘」をさらに他の労働者に広めていく決意を示し、「働き方改革法案には要らない部分がある。 野党と力を合わせ、修正しながら、長時間労働是正、同一労働同一賃金は早期に目指していく」とした。小井土有治元代表が乾杯の音頭をとった後、懇談に移った。

この後、全労連の小田川議長が働き方改革に触れ、反対の立場を明確化、「(この法律で)19世紀の労働者像に戻っていくのではないか」「労働者の貧困化は急速に進んでいる」と危機感を露わにした。また、全労協の金沢議長は、来年の天皇の退位、即位に関連、「(これに)合わせて、王政復古の大号令がかけられていくのではないか」という懸念を示した。

会場からは、「来賓それぞれのスピーチから、社会観、経済観の違いが分かって、興味深い」「経営側の発言も聞きたかった」などという感想が聞かれた。

(編集部)

縮む日本と将来への希望

今は、どんな時代なのか、自分たちはどこへ向かって進むのか。 年の初めにそんなことを考えた。すぐに頭に浮かんだことは、この国が縮んでいくということだった。人口が減り始め、高齢化が進む。経済活動はかつての輝きを失い、途上国に追い上げられている。社会保障制度など生活を根底から支えてきた仕組みがぐらついているのに、対応策が打ち出せない。これらが折り重なって、私たちの気持ちまでもが後ろ向きとなっている。

最近のデータを見てみよう。経済は戦後2番目に長い好況のようだし、有効求人倍率は43年ぶりの高水準、株高は四半世紀ぶりということなのだが、国民にその実感は乏しい。国が縮んでいく今、閉塞感が世の中に蔓延しており、かつての勢いは消えてしまった。

戦後日本の高度経済成長は長くは続かなかった。一時は、世界第2位の経済大国などともてはやされたが、バラ色の高度成長は60年代から80年代半ばまでの四半世紀を経て、あっという間に終わってしまった。その後は、低成長、少子高齢・人口減少社会に突入、 経済は低迷、国の赤字財政は慢性化し借金は膨れ上がる一方だ。団塊世代は高度成長の体験があるが、その後の世代は「好況の日本」を知らない。そこに世代間の断層が生じており、生き方や思考のギャップを生んでいる。

ショッキングな事例を紹介したい。日本人の物づくり技能は世界一と思っている人が多いとは思うが、 そんな時代はすでに終わっている。この国の誇りであった物づくり技能の高さはもう昔話の世界となった。20歳前後の若者たちが技能を競う技能五輪国際大会の成績をみると、昨年のアブダビ大会では世界9位に落ちた。かつては世界一の金メダル獲得国だったが、韓国に抜かれ、今年は中国が世界一位に浮上した。中国が世界大会に参加したのは7年前から。まさかこんなに早く、中国に追い抜かれるとは思わなかった。ものづくり産業の衰退と技能の低下は、誰の日にも明らかだ。

(稲葉代表)

時代の転換を意識し、将来を見直すチャンス

新聞社を退職し、60代の半ばを過ぎてから、日本や世界がどう変わっていくのか、 そして働く人たちの暮らしや格差の広がりの行き着く先に何が待っているのかなどと考える時間が増えた。しかし、答えがすぐに見つかるはずもなく、思いは堂々巡りとなる。

このところ、作家・中村真一郎のエッセー集『全ての人は過ぎて行く』を読み返すことが多くなった。「自分は何者として死ぬか」というのがテーマのエッセーだ。国が縮み始めると、人々の暮らしや気持ちに影響が及ぶ。とはいえ、エネルギーや資源、環境などの問題を考えれば、国が縮んでいくことは悪いことばかりでもない。時代の転換を意識し、将来を見直すチャンスでもあるからだ。

人は過ぎていき、時代は移っていく。先が展望できない不安社会だが、新しい時代への希望はある。生き苦しさを乗り越え、これからどう生きるかを考える一年にしたい。

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